九州鍼の会 第20回月例会

2018年11月10日(日)は、九州鍼の会第20回月例会でした。
今回の内容は、以下となります。

    1. [臨床文献講読]『脈状診を学ぶ為の基礎と臨床』講読 第3回臨床セミナー
    2. [臨床文献講読]『鍼灸臨床講義』講読(4)
    3. [経絡治療基礎]…散鍼法の基礎
    4. [文献紹介]『医道の日本』2018年11月号連載「臨床に活かす古典」№78 解読(その3)
      『鍼の会雑誌』第41号

今回は臨床文献の講読が中心となります。

井上雅文の講義録である『脈状診を学ぶ為の基礎と臨床』講読も今回で3回目でした。今回は気虚、血虚、陽虚についてが大きいテーマとなります。また陽気虚、陽血虚、陰気虚、陰血虚というカテゴリーについても記載があり、現在の人迎気口診でいうところの気虚、血虚、虚労、労倦についての理解がより深まる内容です。

井上恵理の『鍼灸臨床講義』は、今回で4回目ですが、内容は眩暈、三叉神経痛、顔面神経麻痺が中心となります。標治法の仕方についてが中心となりますが、当時の臨床では「虚」と「実」の分類が施術方法に影響するように見えます。

今回は「臨床に活かす古典」№78 解読(その3)においては、経穴資料の取り扱いについての説明を踏まえながら、これを解説しました。今回の「臨床に活かす古典」ではこれまでの経穴学の形成とこれからの展望についての示唆が含まれるため、実技における穴法(取穴実技)についても重要な内容です。『明堂』とその後の灸穴としての穴位、新穴の広範化、そして宋代の修正的な経穴であり、当時の標準経穴としての『銅人腧穴鍼灸図経』、そいてそこからの展開としての金元鍼灸と『十四経発揮』の出現、そしてその後の『十四経発揮』の踏襲と修正主義の出現について記載されています。現代の経穴学は解剖学によって修正さらた『十四経発揮』であり、解剖学で明確化されたように見える経穴学は、本来の経穴からかけ離れた別物に発展しており、それでいながら我々はこれを享受するしかないという立場にあるでしょう。

次回の九州鍼の会は、12月16日(日)午前10:00~14:00までとなります。次回のみ会場が遠方となりますので、ご注意ください。

短期集中基礎講座の趣旨

[本講座の趣旨]
2000年以降、鍼灸教育機関の増加にともない、鍼灸を志す学生の数も、鍼灸師の数も飛躍的に増加する傾向にあります。しかし、初学者であれ、ある程度臨床経験を積んだ鍼灸師であれ、学校や大学の通常のカリキュラムをこなしただけでは、鍼灸について何をどのように学べばよいのか、どのように治療をすれば臨床らしくなるのか、いったい何が本当の伝統鍼灸や伝統医学であるのか、ということついて、全く知ることができないのではないのでしょうか。
本講座は、日本鍼灸研究会(代表 篠原孝市)が、1988年以来、毎年開催している初学者のための“基礎講座”であり、古典的鍼灸の技術・理論、および古典文献の基本的読解法の修得を目的としています。
本講座で学ぶ内容は正統的な伝承を経た経絡治療であり、これに基づく施術の技術は、主に撚鍼法を主体とした接触鍼、散鍼、そして痕の残らない点灸や知熱灸、古典を土台とする脈状診を駆使した脈診である人迎気口診と六部定位診が中心となります。講義においては臨床で重要な五蔵論、外邪論、選経選穴論や病證論、そして知っておかなくてはならない文献学の概要、ならびに中国と日本の研究法から新たに起こした古典の読解法などについて学ぶことになります。