九州鍼の会 第17回月例会

2018年8月18日(土)、九州鍼の会第17回月例会を行います。今回の内容は、以下となります。

    1. [臨床文献講読1]『鍼灸臨床講義』講読(2)標治法について
    2. [臨床文献講読2]『脈状診を学ぶための基礎と臨床』講読(2)婦人病の脈状
    3. [経絡治療基礎]…鍼法(鍉鍼・磁気鍼・皮内鍼)
    4. [文献紹介]『医道の日本』連載「臨床に活かす古典」、『鍼の会雑誌』

今回も、古典の講読ではなく、井上系経絡治療の臨床講義録の講読となりました。井上恵理と井上雅文という二世代の臨床講義を読むことで、井上系経絡治療の分析ができることを期待して講義を行いました。井上恵理の講義については、今回は「標治法について」の考え方となります。井上恵理は「我々の業界では、一般に即治即効性の鍼灸が、非常にもてはやされております。それは「こういう時にこうしたらすぐ治ってしまった」というような事実現象に対し「これはたいしたものだ」と驚嘆し、更にはそういうことを研究してみようと云うようになるので、盛んにそういうことが行われ勝ちになるのであります」と述べ、「秘伝口伝」だとしても、即効性のある治療とそれに対する期待が鍼灸を低迷化させることを嘆いています。そして、体質の証、病気の証、治療の証がそれぞれ異なる場合があり、ただ単に対症療法を行うことが標治法でないとしています。

鍼法は、今回は関西鍼の会の基礎講座に先立って、特殊鍼法の実演と練習でした。標治法的に用いられる特殊鍼法ですが、気をもらすほどの刺激をしてはいけないという観点が必要となります。

次回の九州鍼の会は、9月16日(日)午前9時となります。いつもより1時間早くなりますので、お気をつけください。
そろそろ秋になりますので、再び『素問』の講読となります。秋から冬にかけては『素問』の講読を多くいたしますので、ご了承ください。井上系の臨床講義も継続して講義があります。

短期集中基礎講座の趣旨

[本講座の趣旨]
2000年以降、鍼灸教育機関の増加にともない、鍼灸を志す学生の数も、鍼灸師の数も飛躍的に増加する傾向にあります。しかし、初学者であれ、ある程度臨床経験を積んだ鍼灸師であれ、学校や大学の通常のカリキュラムをこなしただけでは、鍼灸について何をどのように学べばよいのか、どのように治療をすれば臨床らしくなるのか、いったい何が本当の伝統鍼灸や伝統医学であるのか、ということついて、全く知ることができないのではないのでしょうか。
本講座は、日本鍼灸研究会(代表 篠原孝市)が、1988年以来、毎年開催している初学者のための“基礎講座”であり、古典的鍼灸の技術・理論、および古典文献の基本的読解法の修得を目的としています。
本講座で学ぶ内容は正統的な伝承を経た経絡治療であり、これに基づく施術の技術は、主に撚鍼法を主体とした接触鍼、散鍼、そして痕の残らない点灸や知熱灸、古典を土台とする脈状診を駆使した脈診である人迎気口診と六部定位診が中心となります。講義においては臨床で重要な五蔵論、外邪論、選経選穴論や病證論、そして知っておかなくてはならない文献学の概要、ならびに中国と日本の研究法から新たに起こした古典の読解法などについて学ぶことになります。