日本鍼灸研究会(代表 篠原孝市)は、1988年8月に組織された研究会で、関東部局(東京鍼の会)と関西部局(関西鍼の会)の所属会員をもって構成されている。

経絡治療は、井上系と岡部系に大別されるが、日本鍼灸研究会は、井上恵理・本間祥白・井上雅文の流れをくむ井上系経絡治療を実践、発展させるとともに、その基礎となる古典医学、医学史、古医書の研究を目的としている。また、井上系経絡治療の伝承のための講習会、定例会、その他の事業を行う。

経絡治療は、六部定位脈診と手足の五兪穴への施術中心とする〈診断即治療〉の体系であるが、井上系経絡治療では、これに加えて、早い段階から古典医学の内容のさらなる臨床化を行ってきた。その成果は、井上恵理による『難経』や『大成論』の講義、本間祥白による病證研究や『鍼灸病證学』の著述、そして井上雅文による『脈状診の研究』に集約されている。また文献研究については、井上雅文による医古文の提唱、篠原孝市による影印叢書の編集と解題、『鍼灸医学大辞典』の共編、『医道の日本』誌における「臨床に活かす古典」の連載、『素問』『霊枢』『難経』の連続講義がある。2000年以降、東西鍼の会の会員諸氏の手になる臨床と古典に関する学会発表や論文の数は、業界の中でも群を抜いている。